PJ活動の目的の勘違い

2004/01/13 酒井 昌昭

企業活動としてのプロジェクトは何のために行なわれているか?
PJを予定通りのスコープ、スケジュール、コストで完成し、組織に最大の利益をもたらすことがPJ活動の目的なのであるが、ここに従来のパラダイムによる「思い込み=雑音」が入ってきて判断を誤らせる。例えば、「リソースの稼働率」である。
そのパラダイムからどうしても脱却できない方もいらっしゃる。マルチPJでのS B(同期バファー)を「遊んでいる」と取られるのである。確かに全てが上手く行った場合にはPB(プロジェクト・バファー)又は、SBは消費されないかもしれない。しかしそれは結果である。バファーを使わないで済むという結果がでれば、こんなにHappyなことは無いが、何時も偶然が重なるものでは無い。宝くじを毎回当てるようなものである。
*リソースに常時仕事を与えて(仮に不必要な仕事でも)常に稼働率を上げておくことがPJ活動の目標であると勘違いされる。計画自体にGapがあることが許せないのである。 一種貧乏性のパラダイムである。
Topがそうだと、中で働いている担当者は息を抜く暇が無い。でも人間は何時もフルスピードでは走れないので、どこかにマージンを取り、自分で自分を守る態勢に入る。至極当然である。きっと有能で且つ正直なエンジニアーは早晩逃げ出す事、間違いない。
企業活動の中でのPJ活動の最終目的が、「PJを期限どおり完了して最大のOutputを得る」から、「人をフルに活用する」と言う風にすり替わっている事例である。
しかしながら、一旦そう思い込むとそこから脱却できないのも「人の特性」であるらしい。
リソースに常時仕事を与えて(仮に不必要な仕事でも)常に稼働率を上げておかないと心配である。日本人特有の『貧乏性パラダイム』なのかも知れない。
そう言えば、観光地では有名な箇所の写真をせかせか撮っている人も近いものがある。あなたの撮った写真と、篠山紀信のどちらが上手だろうか?