TOC-PMでは作業時間の見積値にABP(Agressive but possible, 「きびしそうだが、やればできる」と使う。
従来の見積りには安全余裕が随所に織り込まれ、不必要に長い値となることを反省し、あえて達成確率がフィフティ・フィフティの値を設定しようというわけだ。
この考え方をビジネス全般の目標設定に使っている会社がある。たとえば、米半導体メーカーのインテルだ。以下に経営者A.グローヴの著作から、そのポイントを紹介しよう。
「伸びようという欲求が自発的に現れない時には、マネジメントがそれを助長するような環境を作る必要がある。たとえば、目標管理(MBO)システムにおいては、目標を相当高いところに設定しておき、個人(あるいは組織)がたとえ一生懸命努力したとしても、それをなし遂げる可能性は五分五分というようにしなければならない。すぐには手の届かぬ達成レベルを狙って全員が努力すれば、たとえそれぞれが半分は失敗するとしても、アウトプットは大きなものになろう。自分の狙っているものが自分自身や部下からの最高度の業績というような場合には、こういった目標設定がきわめて重要なものになる。」
エッセイ
ABPの意味
2004/01/05 中嶋 秀隆