今月は先月の続きで「問題」と「課題」から「問題解決手法」と「課題解決手法」の違いについて書きます。この内容は、12/1に出版された「PM流 法人営業の教科書」からの抜粋になります。
簡単にいうと「問題解決」は現在のマイナスのギャップに対する解決策を考え、「課題解決」は将来のマイナスのギャップに対する解決策を考えます。「問題解決」は、問題点の構造化、現状把握から、問題点を明らかにします。過去の起点から現在までのプロセスをチェックします。そして問題を発生させている原因に対して手を打ちます。原因追求型の分析的アプローチになります。問題を見る視点は、現時点の視点です。問題解決の進め方は、現状を分析して、目標を決めます。そして問題点を明確にします。次に問題を発生させた原因を追及します。そして原因に対して対策を立案して実施する流れになります。
「課題解決」は、現在から将来のある時点を予想します。そして課題の発生に影響を与えそうな要因にたいして手を打ちます。要因とは「結果に関係ありそうな原因の候補」を意味します。課題に対して効果がありそうな対策を検討する対策立案型の設計的アプローチになります。課題を見る視点は、将来の視点です。
多くの課題は、現在の時点では、表に現れてなく潜在化の状態にあります。まず理想の姿はっきりさせ、現状のまま、何も手を打たなかった場合の状況を予想して対策を考えます。その仮説が正しいかどうかは、他の様々な近い例のデータをもとに検証します。
課題解決の進め方は、将来の期待する姿を描き、将来の現実的な姿を予想します。そして課題を明確にします。その後に改善目標を決めます。そして予見される障害を考慮して対策を立案し効果を予測します。最適策を選定して実施していきます。
「問題解決」は、原因を究明する「なぜ(Why)」で問題を発生させている原因を分析します。「課題解決」は解決策を考える「どうやって(How)」で目的から手段を考えていきます。
<余談>
12/1の映画の日に「マネーボール」を見ました。大リーグの貧乏弱小球団のGMが、データに基づきシステム的にチーム編成をして、常勝球団を作りあげていくストーリーです。論理的な部分のおおよその内容は、ヒットも四球も同じ評価にする。45本を打つホームランバッターがお金のある球団に引き抜かれた時は、45本打てるバッターの代替を探すのではなく、ホームラン15本打てるバッター3人で対応することで実現性をあげるなどでした。
その考え方は、私の「PM流 法人営業の教科書」とも共通しています。トップセールスを作ろうとするのではなく、組織としてマネジメントすることにより、全員のバラツキを無くすことで実績を上げることを目的としています。ほとんどの大手書店の営業本のコーナーでは平積みしてくれています。是非一度、立ち読みしてみてください。
http://www.horei.com/book_978-4-86280-282-8.html