プレゼンテーションのコツ その19

2011/11/17 村松 かすみ

第19回目は、
『優位感覚を意識し、相手をひきつける』についてご紹介します。

プレゼンでは、あなたの提案を複数の人たちに説明し、納得してもらう必要があります。相手はどのような人たちなのか? 相手に効果的なアプローチをするために、どんなタイプの人たちがいるのかを理解し、相手に合わせたプレゼンを実践していきましょう。
ここでは、NLP理論の中の1つのスキルを紹介します。

私達は、外から情報を取り入れる時には五感を使います。五感というのは、
視覚:Visual
聴覚:Auditory
触覚:Kinesthetic
嗅覚:Olfactory
味覚:Gustatory

NLP理論の中では、この五感を「代表システム」と呼びます。
突然ですが、「腕を組んでみてください。」
右腕と左腕のどちらが上になりましたか?
今度は、先程とは逆の腕が上になるように腕を組んでみてください。
今回は、少し違和感がありませんか?
私たちは、意識的かつ無意識的に日頃、「やりやすい」「違和感がない」慣れた動作をしてしまうようです。優位感覚というのは、五感の視覚、聴覚、体感覚(触覚、嗅覚、味覚の3つを併せてこう呼びます)の3つに区分した、それぞれの頭文字から「VAKモデル」と呼ばれます。どの代表システムを主に使用するかは、相手の目の動き、使う言葉などに現れるとされています。

それぞれの特徴と視線の動きをあげます。

相手の視線や使う言葉を意識して、主に相手がどの代表システムを使っているかに意識を向けることで、プレゼンの際も相手と円滑にコミュニケーションが図れます。

例えば、「今年のゴールデンウィークに、どこに行きましたか?」と聞かれたら、あなたは、何を思い出しますか?
1.出かけた場所の風景や泊まったホテル等の映像?
2.場所の名前や日付(出かけた期間)、音声的なもの?
3.暖かかった、寒かった、空気がおいしく感じた等の感覚的なもの?
1は視覚タイプ、2は聴覚タイプ、3は感覚タイプとなります。

経験したことに基づいて、思い浮かべた内容があなたの優位感覚です。 プレゼンの時には、相手が複数ですので、それぞれのタイプに合う言葉を盛り込みます。

1つ例を挙げましょう。「プレゼン用のリモートマウス購入のすすめ」として紹介します。
●見た目は、丸くて持ちやすいです。(視覚)
●色は黒とグレーでカッコよさの演出に最適です。(視覚)
●重さは、78gと軽量です。(聴覚)
●機能は、(スライドを)進める、戻す、レーザーポインター、スライド ミュートがあって機能的です。(聴覚)
●丸みがあるので持ちやすい。(感覚)
●操作する際、凹凸があるので、手もとを見なくても操作できます。(感覚)

今回ご紹介しましたリモートマウスを活用して、皆さんのプレゼンを効果的に演出してみませんか?

といった具合です。
私たちは、意識しないと日ごろ使い慣れている言葉だけを使ってプレゼンをしてしまいます。でも、タイプに合わせた言葉というのは、あらかじめ準備可能です。プレゼンのシナリオができたら、見直してみましょう。

相手に合わせたプレゼン―――優位感覚を意識すること―――ができれば、相手を惹きつけることにつながります。