たかがチェックリスト、されどチェックリスト

2011/11/15 中嶋 秀隆

ISO用語辞典によると、チェックリストとは、以下のようなものであるとの説明がある。
「照合を行う為の表。例えば製品を検査する為に予め検査項目を記載したものや内部監査の際、監査人が監査項目を記載したものなど、がある。この様なチェックリストもISO9000の定義によると文書の仲間であると言える。」

身の回りを見てみると、あらゆるところに、さまざまなチェックリストが存在している。・手順書通りに作業を実施したかどうかを確認するチェックリスト

・アンケートのヒアリング事項の漏れをなくすチェックリスト
・役所に提出する書類がそろっているか最終確認をするためのチェックリスト
・申込書の必須記載事項を漏れなく記入させるためのチェックリスト
・定期点検で作業漏れを防ぐためのチェックリスト
・ファミレスのトイレにある清掃チェックのためのチェックリスト などなど

このようにチェックリストがあれば、漏れなく、確実に、効率的に作業が実施できる。作業効率化に必要不可欠なものである。

しかし、つぎのような注意が必要であると私は考えている。

<1>あくまでも標準的な作業には有効だが、(標準的ではなく)例外的に対応しなければなら
ないときには、非力であること
例えば、ファミレスのトイレでカラスが飛び回っているときの対応は書いていない!
<2>無条件にチェックリストに従っていれば良いという「思考停止」状態になってしまう危険性
があること
例えば、ある有名自動車メーカーのチェックリストには、定期点検時に、冷却水の量をラジエターキャップを開けてチェックしろとは書いておらず、外部のタンクチェックしかしていない。そのため、私は定期点検直後にオーバーヒートし、原因は冷却水不足だった。クレームをつけると、「チェックリスト項目になっていない!」という回答があった。
素人の私でもおかしいと思うことを、プロの整備士はおかしいと思っていない。

<3>チェックリストを定期的に見直し、改善・更新しないと、実情とあわないものになってしま
うこと
あなたの身の回りにチェックリストにした方が良い作業はないだろうか?
あたなはチェックリストに頼るあまり、思考停止になっていないだろうか?
あなたは使えなくなってしまったチェックリストを持っていないだろうか?