全とっかえ?!

2006/03/06 中西 全二

プロジェクトマネジメントの導入を考えている企業は、数多く存在している。
しかしながら、うまくいかないケースが多い。
そのひとつに『全とっかえ』がある。
『全とっかえ』とは、トランプゲーム(たとえば51など)で行われる戦略であり、現在持っている自分の持ち札と、場に出ている(魅力的に見えている)札を、すべて交換してしまう方法である。
子供がトランプゲームをプレイしている時に、よく『全とっかえ』をしているケースを見かける。大人からみると、子供のこのプレイは多くの場合、かえって状況を悪くしていることを理解できる。
自分の持ち札の中に良いものがあるにもかかわらず、そのことに気づかず、自信がないため、場に出ている良さそうな札と『全とっかえ』してしまうのである。

現実の組織において、PMBOKという魅力的に見えているものと、(自社が長年築き上げてきた強みを含めた)現在うまくいっていないPMの仕組みをすぐに『全とっかえ』し、かえって状況を悪化させているケースはないだろうか?

もちろん、自分の持ち札がすべて悪い場合は、『全とっかえ』は有効な手段である。
★トランプゲーム『51』では、自分の持ち札の最悪のものと、場に出ている札のうち、最良のものを、1枚ずつ交
換していくというのが、勝利につながる場合が多い。