ちょうちょ ちょうちょ 菜の葉にとまれ 菜の葉に飽いたら 桜にとまれ
桜の花の 花から花へ とまれよ 遊べ 遊べよ とまれ
誰もが口ずさんだ童謡だ。これに関係する数字で、2 万と 7 千の対比をご存じだろうか? 米国の心理学の研究によると女性は 1 日に英単語を 2 万語話せば満足し、男性は 7 千語で充分とのことだ。その差は実に約 3 倍である。
ビジネスの現場では、限られた時間内に、限られた情報をもとに、できるだけ合理的な意思決定をめざす。例えば、1 時間の会議の中で、現状を言語で要約し、判断基準を決め、意思決定をし、結論に至る。そこでは、論点が不明確であったり、論理に飛躍があったり、具体例による説明がなかったりするのはよくない。この発想を男性は引きずることが多い。
結婚したカップルがある年月を一緒に暮らすと、多くの場合、妻が話す役、夫が聞き役という役割分担が自然にできあがる。そして、夫は聞き役に徹する間に、妻の話の論点が次々に変わることに驚いたり、焦点が絞られていないことに混乱したり、いつまでも結論に至らないことにイライラしたりする。ビジネス会議でなじんでいる論理的な展開でなければついていけないからだ。そしてつい、妻の話を遮って「結論は?」訊いたりする。話の流れを遮られた妻はオカンムリだ。無理もない。妻は自分の話を夫が聞いてくれないと感じるからだ。
また、妻が長話(失礼!)をしていると、妻は、自分の話に夫の注意が充分注がれていないと感じることがある。聞いているような顔をしながら、何も聞いていないようだ。せっかく一生懸命、話しているのに、情けない。そこで彼女は、「聞いるの?!」と夫に詰め寄る。
一般に、妻の話に夫がビジネス会議の論理性(言語による現状の要約、判断基準、意思決定、結論)を求めるのはお門違いかもしれない。何しろ妻は、冒頭の「ちょうちょ」の歌のように、菜の葉から桜、花から花へ…と話題を展開しながら、1 日の基準(英単語で 2 万語)を満たそうとしている真っ最中だからだ。それを途中で遮り「結論は?」訊くのは、失礼千万というものだろう。
同様に、妻が夫に「聞いるの?!」と詰め寄るのも、どうだろう。建設的な結末を望むのには無理があるかもしれない。
これにまつわるクイズをお出ししよう。1 年 12 か月の中で、女性の口数が最も少ない月は?
正解は 2 月。その心は、旧暦の如月(きさらぎ)で、気温が低く、たくさんの服を重ね着するから?…ではなく、12 か月の中で、最も日数が少ないから。