プロジェクトのプロセスにおいて、多様なコミュニケーションが行われる。
チームメンバーA:「私の担当しているワークパッケージですが、希望通りの精度が出なくて苦戦しています。昨日が作業完了予定日だったのですが、5日ほど作業の納期延長をしました。」PM「君の担当しているワークパッケージはクリティカルパスだったよな、このプロジェクトは納期最優先の事を忘れてるの?事後報告は無いだろう!」
チームメンバーB:「このプロジェクトの目標設定が判らなくて困っています。どのような目標を設定すればよいか、何か良い参考例はありませんか?」PM「このプロジェクトは、既成の商品と差別化できる商品開発をゴールとしているのだから、そこのところを考えるのが君の仕事ではないのかね、参考例を探しても見つからないよ」
プロジェクト事務局よりのメール:「先にお知らせしております明日の進捗会議に、スポンサーであるD部長が参加されます。チームメンバーの皆さんには、準備怠りなきようお願いします」チームメンバーC:「明日の進捗会議だなんて、そんな連絡は届いてないよ。明日はお客様との打ち合わせで札幌出張の予定だし、D部長が参加するのに欠席出来ないし、どうすればよいの?準備怠りなくといっても、議題も分からないし、何を準備しろというの!」
良く見かける、聞かれる状況だと考えるが、プロジェクトは、プロジェクトのチームメンバー間だけでなく、多くのステークホルダーとの間でのコミュニケーションが必須となり、そのコミュニケーションの良し悪しが重要となる。
わが国には、「報・連・相」というコミュニケーションスキルがある。
報告・連絡・相談の3つのコミュニケーションスキルの頭文字を並べてものであるが、状況に応じて3つのスキルを使い分けることが求められている。
次回から、プロジェクトのプロセスにおける状況に応じた報・連・相の使い分け、“どのような状況の時(When)、どのような狙いで(Why)、どのような内容(What)のコミュニケーションが大事であるのか、その時の留意点は何か”をお伝えしていきたい。