後ろから遡る

2004/06/21 中西 全二

プロジェクトでは、期待されるゴールを明確にすることからスタートする。
このことはいろいろなことに当てはまる。
例えば、結婚を考えている人はどのような家庭を築きたいかを意識し、就職する場合はその会社でどのようになりたいかを考えることが多い。
しかしながら、その後、明確にしたゴールを実現するために何をすべきか遡って考えるよりも、まず何をすべきかを考える人のほうが多いのではないだろうか。
前者をバックワードアプローチ、後者をフォワードアプローチと呼ぼう。
私たちは「行動しないで考えている状態」に対して、プレッシャーを感じることが多い。そのため、ゴールからスタート地点に向かってじっくり考えずに、何かすることを早く見つけて着手することになる。納期が厳しい場合はなおさらである。
TOC-PMでは、ネットワークを遡るというバックワードアプローチの考え方も導入している。このゴールを実現するためには何の作業がされていなければならないか。その作業をするためには何がされていなければならないか。・・・と遡っていき、その結果、まず何をすべきかが決まるのである。
仕事の達人は、すでに実践している。また、自己啓発本でも、おなじようなアプローチをしているものもある。そうそう、ゴルフでも上手なひとは、ホールに入れた状態から遡り、グリーンにのせるためにはどこからアプローチし、そのためには第一打はどこにおとすかと攻めるらしい。
ということは、ゴルフの上手なビジネスパースンは、良いプロジェクトマネージャなのだろうか?!