ビジネスを進めてゆくうえでの 重要なステップとして 分析のステップがある。マーケティングにおいては典型的なものとして SWOT分析、市場分析、顧客分析、経済性分析、3C分析などが使われている。プロジェクトもプロジェクトをスタートさせる段階で 分析のステージが考えられる。大前研一氏がグローバルに通用するビジネス・パーソンの武器として 3つの武器をあげている。英語力、論理力、創造力である。私自身の25年の外資系の会社における経験から考えても当たっていると思う。私としては上記の3つの能力を補足する能力として、数値把握能力と分析力が加わると、より強力な Competitive Advantageになると思う。
その分析力の中の考え方とし TOC-PMで言われる NecessityとNice to have の考え方は 非常に単純だが 強力な手法といえる。通常、NecessityとNice to haveを明確に考えてビジネスを進めることが少ない。ビジネス現場に直面すると、ついつい何でも Necessityに入れてしまう傾向が多い。一旦根本もしくは上位段階に戻って考える習慣は普段、無意識に進めていることをもう一度 クリアーにすることは 大きな
効果をもたらす。早稲田大学の中沢教授はその開発設計工学の理論の中で同じようなアプローチをメタ・コンセプトと呼んでいる。開発設計を変更する場合に従来の手法の変更では大きな画期的手法は生まれないので、一度その上位段階に戻ってあらためて考えを進めることにより、気づかなかった方法に到達するということである。
シューマッハの理論に「スモール イズ ビューティフル」があるが、「シンプル イズ ストロング」ということがいえる。
エッセイ
Necessity と Nice to have
2004/03/15 香月 秀文