私の住む、茨城県守谷市を通る国道294号線乙子交差点の高架化プロジェクトが佳境に入ってきた。5年がかりで国道294号線と、市道および関東鉄道常総線の2つと交わる交差点を立体交差にする工事である。従来は平面交差していた、市道を掘り下げ、常総線と国道294号線の下を通過させる。また、自転車、歩行者を平面通行にするため、国道294号線は高架にする工事である。
工事期間5年にわたるプロジェクトは、いくつかのフェーズで構成されている。最初のフェーズは、市道が常総線の下を通る為、常総線の線路部分の橋梁化を行った。プロジェクトの納期は平成20年度末であり、残された工事期間が4ヶ月あまりとなった現在では、最終フェーズである国道294号線と市道が交差する交差点の国道294号線の高架橋(長さ30m程度?)を架ける工事を行っている。高架橋をどのような工程を組んで設置するのかが、私にとってこのプロジェクトに関する最大関心事だった。工事現場の近くには、東京橋梁鉄骨((株)の取手工場があり、このような工場で、高架橋を作成し工事現場に運んで来て一気に設置するのか?この方式は、つくばエクスプレスの車両基地に、新型車両を搬入したときの方式と類似の方式で可能なのだが・・・?あれやこれやと想像することが一つの楽しみであった。そのうちに、「高架橋設置工事は、11月17日から12月10日までの間、21時から朝6時まで交差点の交通を制限して夜間工事として行われます」との市広報が流れてきた。交通制限を行う工事はこの期間の10日だけであり、工事の規模から想像するに大変手際の良い工事を遂行することが要求される。それだけにどのような工程で行うのか、ようやく答えが分かるときが来たとわくわくした。その答えは、工事の始まる1週間前から様相を見せだした。
クレーン3台、工事用仮設線路、15個のコンクリート製ブロック(これは長さは30m程度、長さからみて、高架橋の土台となるものらしい)、鉄骨製の橋脚(長さは60m?ブロックの倍ほどある)これがどのように使われるか皆目見当がつかない。15個のブロックを一つ一つ設置するのは、相当な工事日数を必要とすると思われる。広報にあった期間中に本当に終わるのだろうか、いったいどの様にして架設するのだろうか。毎朝、早朝ジョギングのコースを工事現場経由に変更し、工事の進捗状況を観察することにした。架設工事はいつまでも始まらない。その代わり、ブロックを運ぶと思われるレールがひかれる。そのレールの上に、鉄骨製の橋脚が置かれる。最初の交通規制をしての夜間工事の次の朝、鉄骨製の橋脚が高架橋の端に設置されているのを見た。どうやらこれは、ブロック設置工事の時、作業員の足場として使用されるものらしい。ブロックをひとつづつレールで運び、この足場を使用して架設するようである。15個の高架橋ブロックの設置工事はあっという間に終わった。15個の巨大なブロックがたった一晩で架設された。今までの作業はこの設置工事の段取りで、本工事は時間にして6~7時間で15個の高架橋ブロックを設置したのだった。段取りの見事なことにただ感嘆するのみだった。我が町のビッグプロジェクトは、全ては「段取り」で決まったのでした。