「ミシュランガイド」の東京版の概要が昨日(11月19日)公表された。三つ星を獲得したお店が8店あり、「東京は(累計で)世界で一番星の数が多い都市となり。飲食店のレベルがいかに高いか」を示したという。それはそれで喜ばしい。しかし、我々を取り巻く環境は食文化に留まらない。広い文化の観点でいえば、食べることは全体の一部に過ぎない。そして、東京はグルメ都市以上である。文化度を広く考えれば、東京には映画館の数も多く、邦画・洋画のみならず、最近ではアジアや第三世界の映画もやっている。クラシックやジャズのコンサートでは、一流ミュージシャンの名演奏をナマで聴くことができるし、オペラや演劇も観られる。さらに、歌舞伎もある。寄席に行けば、落語を楽しむことができる。美術館にも大小さまざまのものがあり、世界的な名画(最近ではモネやフェルメール、ダリなど)も、日本画(今は「鳥獣戯画」など)も観られる。スポーツでもそれなりにレベルが高い。野球やサッカー、マラソンも観られ(先日、私はパートナーの中さんと一緒に、東京国際女子マラソンの野口みずき選手の力走を沿道で応援した)、相撲もやっている。さらに、東京は安全で日本語が通じる。「ミシュランガイド」もレストランには全く縁がない私だが、「世界都市文化度ランキング」を作ることがあれば、東京をイチオシしたい。なんといっても、渋谷駅から10分ほど歩いたところ(BUNKAMURA)で、ミレーの「落穂拾い」や「晩鐘」が観られ、駅までの帰り道では札幌ラーメンを食べられるところなのだから。