寄り道2(世界一簡単なダイエット法?)

2009/03/16 浅見 淳一

前回のエッセイで「80 対 20 の法則」による、簡単な基準を持つ利点について書きました。今回も、少し寄り道をして、簡単な基準のメリットを、具体的な事例を紹介します。また「寄り道」とのご批判もあるとは思いますが、甘んじてお受けして進めます。
●一般的なダイエットテレビでは、ブートキャンプやバナナダイエットなどが評判になり、毎回良くこれだけ色々なものが出てくると感心します。そこで今回は、事例としてダイエットを取り上げてみます。「なぜ太ってしまうのか?」から、やせるための方法をまとめると

項目で表記すると分かりにくいので、問題(課題)解決手法のロジックツリーで幾つかの項目をまとめると、下の図のようになります。

太る要因を挙げ、それに対する対策を整理しました。対策の数だけ管理項目があります。効果はあるとは思いますが、現実的に続けるのは、すべきことが多くて、難しいのではないでしょうか。
これを今回のテーマに沿って、簡単な基準で考えて見ます。
太る原因を単純化すると、消費エネルギーより、摂取エネルギーの方が多い。になります。ビジネスであれば、支出より入金が多い。のですから、喜ばしいことですが、体重に関しては、ちょっと困った問題になります。蓄積したカロリーを運動で消費するのは、かなり継続的な運動量が必要とされます。
20分のジョギングで消費するカロリーは、約120calです。20分以上運動しないと、蓄積された脂肪は減らないとも言われています。もちろんダイエット対策のひとつとしては、有効だと思いますが、簡単なダイエット法ですので、摂取カロリーを減らすという観点で考えます。コンニャクやハバナ、りんご、ダイエット食品などカロリーの少ない食べ物によって、摂取カロリーを減らす方法があります。しかし、同じものを食べ続ける方法は、結局飽きてしまい失敗するケースが多いのではないでしょうか。

●世界一簡単なダイエット法→腹7.5分目ダイエット法
目的・・食べる量を減らす。(一回の食事を、満腹になるまで食べない。)

常に満腹以上に食べ続けるのが過食です。過食を続けることにより、胃が大きくなり、ますます食べる量が増えてしまいます。満腹感の曖昧な感覚を基準にして、無理のない範囲で、意識して食べる量を減らしていきます。そうすれば、だんだん胃も小さくなって、食べる量も減り、ダイエットにつながる理屈です。図のように管理基準も1つで済みます。もちろん、私はお医者様でも、ダイエットの専門家でもありませんから、効果は保障しません。もし取り組むときは自己責任でお願いします。簡単な基準で考えるという一例として取り上げてみました。
新谷弘実医師の100万部を突破した著者「病気にならない生き方」では、腹8分目を勧めています。食事のバランスは、植物性85%動物性15%を基準に取られているようです。これも自分独自の簡単な基準で判断している、一例だと思います。
最近、京都大学の研究で、一時的に栄養を与えない「断食状態」を繰り返すと、線虫の寿命が延びるメカニズムを遺伝子レベルで解明した。という記事が新聞に載っていました。ラットなどの哺乳類も食事を制限すると老化が遅れることが実証されています。「一生の間で体が処理できる食物の量は決まっている」という説があります。お坊さんが長命なのは、食事にもあるといわれています。飽食を見直す時期に来ているのではないでしょうか。