ジャーナリストの松山幸雄氏が人生を豊かにする要素として、①外国語の能力、②スポーツを楽しむ、③楽器をひとつマスターする、の 3 つを挙げておられる(『「勉縮」のすすめ』)
この3つについて同世代の知人に意見を求めると、定年を前にした Aさんは「俺はどれにも当てはまらない」と悔しそうに言われたが、より年上の B さんは「意図したわけではないが、私には 3 つとも当てはまる。 英語力のおかげで海外で仕事をしてきたし、夏はテニス、冬はスキーをやっている。ギターを弾きながら歌を歌うのが好きだ 」とのことである。
読者のなかには、自分にとってはこれだと、上の 3 つ以外のものを挙げる向きもおられるに違いない。 例えば、ドイツ文学者・中野孝次氏は囲碁の面白さを強調しているし、絵を描くことをよろこびとしている人もいる。
要するに、自分にあった何かを見つけることが、大切なのであろう。この世は、それだけ多様なのだから。そして、これを進めると次の述懐にたどり着くのかもしれない。「つまるところ人生とは一冊の本、 一人の女性、一人の親友、一本の酒、ひとつの言葉(詩)を求める旅であった」
以上