修羅場を持ちこたえる条件:その2:問題解決

2010/11/18 中嶋 秀隆

思わぬ困難や逆境に直面した人がその修羅場を乗り切る力を「心の復元力」といい、1)健康、2)問題解決、3)自信・自尊心・自己イメージ、4)開かれた心、学習、5)セレンディピティの5つからなる。前回は1)健康を取り上げた。今回は2)問題解決を取り上げよう。
思わぬ困難や逆境とは、現状とあるべき姿との間にギャップがあることを意味する。平たくいえば「問題」があるということだ。困難や逆境を乗り切るためには、その問題を何らかの形で解決することが不可欠だ。
問題解決には、論理的問題解決と創造的問題解決がある。

問題解決には論理的なステップがあり、それに沿って考えることで問題解決にいきつく。そのステップは次のようなものだ。1)問題を正しく把握する、2)解決の目標を設定する、3)解決策を複数考える、4)解決策を実行する、5)実行した解決策の効果を見る、6)フィードバックから学ぶ、7)解決策を修正する、8)成果を評価する、9)振り返り、教訓を収集する。論理的問題解決はビジネス意思決定の方法として、広く知られており、採用されてもいる。

ビジネス教育上あまり重要視されてはいないが、もうひとつ重要なのが創造的問題解決だ。従来の発想の枠組みの外にある解決法であり、合理的・論理的思考から自分を解き放つものだ。そのためには、創造的な問いを立ててみることが有効だ。例えば、別の見方は? これまでと反対のことをしたら? 突拍子もない解決策があるとすれば? とてもユニークな対策は?

ここで、合理的・論理的思考からあなたを解き放ち、イマジネーションを駆使して、次の3つの問題を解決してみてほしい。

問題1) □に入る数字は? 88、64、24、□
問題2) □に入る文字は? エイ、エィチ、アイ、エム、オー、□
問題3) 凶暴な毒蛇がビンの中に入っている。生きたままビンから出したいが、どうすれば安全・確実に取り出せるか?
これらの質問に正解できたあなたは、頭が柔らかい、創造性に溢れる人といってよい。問題解決が得意な人である。
学校教育では合理性を重んじ、論理的問題解決がとかく重視される。論理的問題解決一辺倒といえるかもしれない。しかし、世の中の多くの問題は合理的に解決できるものとは限らない。
ちなみに、あなたが今日選んで身に付けているネクタイやブラウスは、論理的に正しいものだろうか。むしろ、直観的に気に入って入るものを選んでいるのではないか。
問題解決には、論理的方法と創造的方法を併用することが大切であり、それを強化することが、「心の復元力」を高めることにつながる。

追)上の問題の正解
問題1) 8。 解説) 8x8=64、6x4=24、2X4=8
問題2) ティー。 解説) アルファベットで左右対称である大文字は順に、A、H、I、M、O、T
問題3) ビンごと冷蔵庫に入れ、毒蛇をねむらせてから取り出す。

以上