人芯経営論 ・・・ついてる

2010/02/15 浅見 淳一

今月から、何回かプロジェクトやビジネスに影響を与えるキーワードについて書きたいと思います。今の私のPCの壁紙は、「ついてる」です。スリムドカンや高額納税額で有名な銀座まるかんの経営者・斉藤一人さんのHPから色紙をDLしました。PCを立上げた時に、最初に「ついてる」の文字が出てくると良いことが起こるような気がして、明るい気持ちになれます。

◎「ついてる」のいろいろ

斉藤一人さんは、「天国言葉」として、「ツイてる」「うれしい」「たのしい」「しあわせ」「ありがとう」「感謝します」を、反対の意味を持つ「地獄言葉」として、「不平不満・悪口・泣き言・文句」を上げています。

最近メルマガで、松下幸之助さんも同じ様なことを言っていたことを知りました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100112/212148/
松下政経塾の塾生の選考基準は、塾長を務めていた松下幸之助さんが面接で必ず聞いていたのが、「君は自分のこれまで人生を振り返って、自分は運が良いと思うか」という質問です。そこで「運が良かった」と答えた者が塾生に選ばれていった。幸之助さんは「俺が見れば、運があるかどうかは分かる」とよく言っていたらしいです。
実際、幸之助さんの「運」へのこだわりは強く15歳の頃の夏、船に乗っていて、足を滑らせた船員に抱きつかれて一緒に川に落ちた。幸之助さんはこの時のエピソードを引用して、「半死半生の目に遭ったけれども助かった。だから僕は運が良かった」と語っています。

私が勝手に大好きな、泊まることで世界のためになるホテルを作ろうとしているザ・レジェンド・ホテルズ&トラスト株式会社、 代表取締役CEO 鶴岡 秀子は、ついてる考え方を「天国体質」と表現しています。(HPとても良いですよ)
著書「夢の設計図の書き方」の中で、人は同じ環境にいても、そこを天国と考えられる人もいれば、地獄にしてしまう人もいる。ハッピーな人生を生きていくためには「天国体質」が重要だと述べています。

「致知随想」ベストセレクションから渡辺 尚さん(わたなべ・たかしパソナキャリア社長)の「人生で成功する人、失敗する人」のお話です。
「カウンセラーとして五千人を超えるベテランビジネスマンと面談を重ねる中で、仕事や人生に成功する人、失敗する人には驚くほど共通した点があることに気づきました。
一つは会社や上司への愚痴、悪口、不平不満などマイナス言葉、否定語の多い人は人生でも仕事でも決してうまくいかないという点です。よい大学を卒業し一流企業に籍を置きながら、レールを外れ辞めざるを得なくなる人の中には、マイナス言葉のオンパレードという人が少なくないのです。

自分の損得にこだわる傾向にある人も、長期的に見たらうまくいっていません。すぐに次の就職先が決まったとしても、その方が以前と変わらないマイナス言葉のままだと、短期間で辞めることになってしまいます。理想的な仕事に恵まれても、その環境の中で愚痴や不満のネタを見つけ、同じことを繰り返すからです。
一方、再就職に限らず物事が順調にいく人は、その多くが感謝や褒め言葉のようなプラスの言葉を発し、周囲を和ませる明るい雰囲気の持ち主です。」
単純に考えても、人は、暗くて後ろ向きな人より、明るくて前向きな人が好きです。どうせ一緒に仕事をするなら前向きで明るい人としたいと思います。自分のことを「ついてる」と思える人は、どんな環境にいても運が良いとらえます。起きていることは自分の成長の為に必要だから起きているのだと、何事にも積極的に取り組みます。だからこそ、いろんなチャンスにも恵まれます。人は思考ひとつで、人生が大きく変わってしまう。発している言葉どおりの人生になる。ということは、精神世界を持ち出すまでもなく、論理的に当然の結果です。あなたは自分のことを「ついてる」と思えますか。平和な時代の豊かな日本に生まれてこられただけでも、ものすごくラッキーなことですよね。

<余談>
今月は1日に時間が取れなくて、江戸東京博物館の「チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展」を見ました。中国の国宝にあたる品々も多く展示されていて興味深かったです。展示物をみるとモンゴルと中国と日本が感覚的に近くて、同じアジアの文化圏の国だと親近感を感じます。馬や羊などのモチーフの飾りや遊牧の道具も多く、昼は大草原を馬で疾風し、夜は満天の星空の下、パオで暮らしている人々のことが目に浮かびます。現代の日本の都市生活のように、人と自然が分離した生活は、人類の長い歴史からみるとごくわずかな期間、限られた地域の出来事です。都市に住んでいると、人の生活は自然と寄り添いながら、自然に育んでもらっていることを忘れてしまいます。
4月27日からは「龍馬伝展」です。行こうと思います。