人芯経営論 ・・・論語とプロジェクト①

2013/01/15 浅見 淳一

明けましておめでとうございます。浅見です。本年もよろしくお願いいたします。皆様お正月はのんびりできましたか。私は原稿書きで引きこもりのようなお正月でした。

去年はPMAJ の大会で 2 時間半の講演をしました。内容はビジネス論語塾の先生の青柳浩明さんと一緒に「論語とプロジェクト」でした。この講演を聞いていてくれた出版社の編集者の方が、知らないうちに企画を社 内で通してくれて、あっという間に出版が決まりました。感謝です。私はプロジェクトの研修やコンサルをしていますが、知識やスキルだけでは現場で起きる様々な問題の解決 は難しいと感じていました。何か良いものはないかと探していた時、昔の日本には、生き方や考え方の基準の一つとして「論語」があったことを知りました。そこでプロジェクトマネジメントのロジカルな部分と論語のマインドの部分を組み合わせたいと思い、青柳さんにご相談したところご快諾いただき講演が実現しました。

出版は今年の春ぐらいの予定ですが、論語になじみのない方も、いらっしゃると思いますので、今年のエッセ イは、しばらく論語をご紹介したいと思っています。
今月の論語 辞は達するのみ (じは、たっするのみ)

意味は「考えていることは相手に伝わらないと意味がない」です。辞は「発言」や「言葉」です。

プロジェクトマネジメントでは、最初にプロジェクトの目的やプロジェクトで作り出す物(最終成果物)を、メンバーで確認し共有することが必要です。ですから、オナーやマネジャは目的や最終成果物を正しく伝えること、 メンバーは全員が理解していることが重要です。

<余談 1>年明けのうれしかった話を書きます。年末に友人と東京駅の近くで忘年会をしました。少し時間があったので市場調査を兼ねて書店に寄りました。営業系の本を見ていたところ、隣の若者から急に「突然失礼ですが、私は来年から就職して営業をします。本を探しているのですが、どれが良いか分かりません。何か良い本があれば紹介していただけませんか?」と話しかけられました。さわやかで積極性な態度に好感が持てたので、私の「PM 流 法人営業の教科書」をプレゼントして、そのまま忘年会に向かいました。忘年会で友人と激しく飲んだこともありそんな出来事は忘れました。新年に出社すると、北海道から見たこと のない氏名の手紙が届いていました。その若者がお礼と「法人営業の最高の指南書だと感じました」(ほめ上手)と自己紹介を丁寧な文字で 3 枚も書いてくれていました。いつの時代でも若者は批判の対象になりますが、私の若いころと比較すると(比較の対象にならないかもしれませんが)彼の方が圧倒的に優秀です。論語にも「後世畏(オソ)るべし」(若いからといって、あなどれない) とあります。まさに痛感しました。2013 年以降の日本の未来は明るいです。

<余談 2>
今年の元旦の映画は「レ・ミゼラブル」を見ました。ずっしりと思い映画でした。見終わった後、体重が 3 キロ増えていました。(年末の暴飲暴食のせいかもしれません)

<余談 3>
前職で同期の渡部一男さんが年末に「課長の大間違い」を出版されて贈ってくれました。私は PM や営業のスキル系のコンサルですが、渡部さんはマネジメントやコミュニケーションのマインド系のコンサルです。二人 とも同じような時期に独立しました。内容は渡部さんの豊富な経験に基づくマネジャ職の悩み事や解決策が書いてあります。私の体験に照らして「ある、ある」とか「あの時はこうしておけば良かったのか」と感じました。若者の会話「課長に面と向かっ てメールしてやったよ」には笑えました。面白くて読み易い本です。マネジメントの悩みの解決になるヒントもたくさんあります。本屋で見かけたら、立ち読みしてください。(気が向いたら買ってください。お願いします。)