プロジェクトに限らずどのような仕事でもいえることですが、人から「この仕事やっておいて」と指示された仕事に対しては、なかなか心から一所懸命にはなれないものです。プラネットの研修では、作業の役割分担をしたら、担当する人からコミットメントを取りましょうと薦めています。
コミットメントを辞書で見ると訳は「約束、誓約、宣言」などです。コミットメントの言葉を有名にしたのは、日産のカルロス・ゴーン社長です。ゴーン社長はコミットメントを「必達目標」と言っていました。プラネットでは「有言+実行」としています。簡単に言うと「言ったことはやりましょう」ということです。
コミットの強化レベルには、4 段階あるといわれています。分かり易いように「禁煙」を例にして説明します。
① レベル 1 心の中で思う
「タバコは健康にも良くなさそうだし、最近は喫煙者の肩身が狭い。そろそろタバコを止めようかな」となんとなく心の中で思う状態です。たぶんこの段階では、ほとんどの人は、タバコを止めことはありません。
② レベル 2 口に出してみる
「禁煙しようと思っているんだ」と発言してみる状態です。心の中で思っているだけよりは、コミットメント・レベルが一段階強化されていますが、この状態で禁煙できる人はそれほど多くないはずです。
③ レベル 3 紙に書いてみる
1 と 2 で禁煙に失敗した人が次にやることは、たいていは紙に「禁煙」などと書いて、壁に張り出すようなことです。常に目に付くところに張り紙をして、たばこを吸いたくなった時の戒めとしています。1 と 2 よりはかなりコミットメン・レベルは高まっていますが、自分の中だけの誓いですから、約束を破ることに対しての罪悪感は、まだ弱い状態です。
④ レベル 4 みんな (信頼している人たち) の前で宣言する
もっともコミットメント・レベルが高くなるのは、家族や仕事仲間や親しい人たちの前で「私は禁煙します」と宣言することです。この行為は、信頼する人たちとの約束になります。人はそのような人たちとの約束を破って、嘘つきだとは思われたくないものです。心理学では、「立場を明確にすることで、その立場を強固に一貫して行動しようとする傾向が生じる」状態と説明されています。 私はたばこを吸ったことがありませんので、禁煙の苦しさはまったく理解できません。しかし上記のような、コミットメントを高める手法は、例えば何かの「目標達成のスキル」や「営業パーソンが売り上げを達成することを大勢の前で宣言する」などに共通して使用されています。
<余談 1>
毎月 1 日の映画の日は、できるだけ映画を見るようにしているのですが、10/1 は時間がなくて行けませんでした。そしたら、なんと知り合いが映画の試写会の案内をくれました。都合がよかったので、ラッキー!!と見に行きました。映画はもうすぐ公開される「北のカナリアたち」です。予備知識なしに見ました。主演は吉永小百合さんです。吉永さんはびっくりするほど若くてきれいでした。この先生役は吉永さん以外はないと感じました。
ストーリーも緻密ですし、出ている俳優さんもみんな演技が上手でした。最後は感激的で泣いている女性もいました。僕が見た邦画のベストスリーに入ります。世界の経済環境は厳しくて、日本もいまいち元気がありませんが、こんな良い映画が作れる国なのだから、絶対に大丈夫、復活すると確信しました。
<余談 2>
10月6日(土) に「田母神俊雄 元航空幕僚長 VS 天木直人 元駐レバノン特命全権大使 特別討論会」を前に参加していた勉強会の人が主催していたので参加してきました。
二人の主張は、田母神さんは憲法 9 条の改正派で天木さんは護憲派でした。現実主義者と理想主義者の議論で面白かったです。主張は真逆ですが、「対米従属からの脱却、日本は自主独立を目指すべき」の論点は共通していました。個人的にはどちらの主張が正しいとは判断できません。政治は絶対に正しいものや正解はないと思っています。正しいと思っていたことでも状況が変化すれば間違いになります。主義やイデオロギーは、国民の生命と財産が守られる、平和な国を作るための手段です。しかし政治に限らず、手段が目的化するケースはよく見かけます。講演会で田母神さんの「騙されるな日本! -領土、国益、私ならこう守る-」を買いました。まだ全部読んでいませんが面白いです。友人に紹介したらすぐ買っていました「ビジネスマンとして読んでおいた方が良い」との意見でした。定価 800 円(税抜)はお得です。