人芯経営論 ・・・「ネガティブ情報は毒」

2012/02/13 浅見 淳一

今年も早いものでもう1 ヶ月以上が過ぎてしまいました。早い。異常すぎます。友人とは「絶対におかしい。間違いなく宇宙の時間の進み方が早くなっている」と飲みながら確信を持って話しています。仮にそうであっても検証の方法がありませんね。

<余談 1>
歌の力…今月は少し趣向を変えて余談から。
私は仕事に入る時、気持ちをセットアップするために、コーヒーを飲みます。最近は、ユーチューブで、カノンさんの「明日への鼓動」を聞きます。この曲は去年末のメルマガで知りました。北京オリンピックのテーマソングであり、なでしこジャパンの優勝決定戦の前日に、監督が全員に聞かせた歌だそうです。確かに勇気が出ます。

メルマガでは、こんな素敵な言葉で紹介してくれていました。「辛い別れもあり、新しい出会いもあり、様々な感情が交差する中で、人は、確実に成長していくように思います。皆天命を持って、この世に生を受けると言われますが、あなたもこの歌のように、自分だけの物語を歩んでいますか?」 後ちょっと気持ちがくじけそうなときは、本田美奈子さんの「翼」を聞きます。すごくいい曲です。元気がもらえます。大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=oTmT8ih0WBM&feature=related

◎ネガティブ情報は毒…本題に入ります。先月のエッセイの続きでもあります。
「人の体は、摂取した食物からできている」
「人の行動は、選択した習慣からできている」
「人の心は、吸収した情報(知識)からできている」
当たり前のことですが、忘れがちなことです。新聞・雑誌やテレビのニースやドラマなどの情報を「ポジティブ(肯定的・プラス)情報」と「ネガティブ(否定的・マイナス)情報」と分類してみてください。ほとんどがネガティブ情報であることに気がつきます。試しに電車の雑誌の中刷り広告を見てください。ほぼ100%ネガティブ情報です。最近では読むと電車酔いします。 (お酒のせいではありません)厄介なことに人の心理は、ポジティブ情報よりネガティブ情報を重要度が高いと感じます。たとえは
・明日の天気は快晴になります。
・明日の天気は大雪になります。
・今年の日本の経済成長率は 10%を超え好景気の予測です。
・今年の日本の経済成長率はマイナス 10%になり不景気の予測です。
どうでしょうか?どのニュースを重要と感じるでしょうか。どちらも天気と景気について述べているだけです。悪いニュースの中には、生活に大きな影響を与え、時によっては生存を左右するものもあります。しかし現実の大部分のニュースで、そのような必要な情報はほとんどありません。ネガティブ(-)情報は、そのまま受け入れると毒になります。
毒 1. 人に心配や恐怖の感情を植え付けます。
心配や恐怖は人にストレスを生みだします。「ストレスは万病の素」と言います。文字通りストレスは毒です。笑うことを忘れます。医学的には明るく笑うと、白血球が増え、免疫力が上がるというデータがあります。ネガティブ情報は、人から希望を奪い生きる活力を奪います。キュリー夫人は「人生に恐怖すべきことは何も無い、あるのは理解すべきことのみである」と言っています。私は「人生には解決すべき課題があるだけ」と解釈しています。
毒 2. 人を否定的、批判的な思考にします。
ネガティブ情報の多くは他人を非難している内容です。ネガティブ情報ばかりに触れていると人は他人を否定的批判的に見るようになります。そうした見方が正しくて当然だという思考になります。否定的批判的な人は、常にイライラしています。イライラする心が高血圧の原因になるという説があります。納得できる説です。否定的批判的な意識の強い人は、自分が正しくて人は間違っていると考えます。そのために他人の意見に対して受容度が少なくなり成長できません。松下幸之助氏は、「人が成長するためには素直さが大切である」と書かれています。講師をしていると伸びそうな人とそうでない人は、そのあたりで感じます。
毒 3, 心を蝕みます。
先日、たまたま夜に流れていたテレビドラマを眺めていると刑事ドラマか何かでした。人を刺し殺す場面でした。すぐに見るのをやめましたが、その後ずっと気分が悪かったです。「狂っている」と感じました。人の感情は、仮想と現実を区別しません。映画やゲームでスリルのある場面には現実と同じようにドキドキします。人の脳は同じ刺激を受け続けているとその刺激に対してだんだん反応しなくなります。夢中でやっていたゲームもやがて飽きます。 常に「ネガティブ情報」に接していると人はやがてその刺激に麻痺します。ゲームと同じ様にネガティブ情報で生じた感情はさらに強い刺激を求めるようになります。そして麻薬のように次第に人の心を蝕みます。現実の世界は、美しいことも醜いこともあります。優しいことも残酷なこともあります。楽しいことも辛いこともあります。でも一度自分の身の回りだけを振り返ってください。美しいこと優しいこと楽しいことが大部分ではありませんか?同じ現象でも肯定的か否定的か見方で感じ方は違ってきます。捉え方考え方しだいです。だから尚のこと「ネガティブ情報」を遮断して、自分の心を平和にしませんか。

<余談 2>
珍しく前売り券で「はやぶさ 遥かなる帰還」を見に行きました。はやぶさは計画から打ち上げまでに 18 年打ち上げから帰還まで 7 年トラブルの連続です。前作「はやぶさ」も見ていますが、また感動しました。今回は、男たちが困難に負けずに頑張り続けるという男性視点の物語です。プロジェクトマネジャーはみんな大変な苦労をしています。プロジェクトにかかわる人は必見です。気持ちが軽くなると思いますよ。