知り合いの方が自身の新刊を送ってくれました。手島直樹氏『まだ「ファイナンス理論」を使いますか』日本経済新聞社より発刊されています。手島さんはアメリカで MBA を取得し日産自動車の財務部、IR 部で勤務した、いわばファイナンス(財務)のプロです。ボリュームのある本ですので、まだ、半分しか読んでいませんが、かねがね私が思っていたことを、金融のプロが明快に解説してくれていて納得できました。経営者の方は絶対に読んだ方がいいと思います。手島さんの許可を得て一部抜粋してご紹介します。
① ファイナンスは余事
株価は、利益を持続的に増加させることによって上昇する。利益は企業努力で自ら生み出すもの。そのためには経営に集中すること。株価に一喜一憂している暇などない。経営者は真面目にそして真剣に経営をすればよい。ファイナンスはおまけ。
② ファイナンス戦略は企業価値を生まない
ファイナンスは経営哲学なき企業では、企業価値を破壊するリスクをはらむ。モノやサービスが売れれば、企業価値は上昇する。ファイナンスは保守的に必要最低限の役割を果たせばよい。本業あってのファイナンス。
③ ハイリスク・ハイリターンのギャンブル
企業は、本業でリスクを取るべきであり、財テクでリスクを取るべきでない。財テクで儲けようとするのは、企業がとるべきリスクでない。説明のつかないリスクは絶対に取らない。
私は金融工学などの怪しげな理論で、世間は欺かれていると思っています。手島さんも「ファイナンス理論が必要なほど現実の経営は難しくない」「お金は企業から金融機関に流れ続ける」と書いています。ファイナンスに走るのは邪道です。「当たり前のことを当たり前にやる」ことが全ての基本です。「経験を持つものが金持ちと取引すると、最終的に金持ちは経験を得て、経験を持つ者は金を得る」の格言も紹介されていました。
<余談 1>
来年は出雲大社の 60 年ぶりの遷宮です。行きたいのは、やまやまですが島根まで行くのも難しいということで、東京国立博物館で開催されている『出雲展』を友人と見に行きました。2000 年に発掘された、巨大な三本のうず柱から当時の壮大な建物が想像でき、見に行った価値がありました。残念ながら出雲展は 11/24 には終わっています。
別の建物では「特別展 中国王朝の至宝」が開催されています。こちらは思ったより空いていました。古代の王朝の国宝級の品物が一堂に展示されています。中国の歴史と文化の多様性をまとめて見ることができて楽しかったです。日中国交正常化 40 周年記念の催しです。当分はこれらの至宝を見る機会がないかもしれません。ご興味あれば見に行かれてはいかがでしょうか。こちらは 12/24 まで開催しています。
来年は伊勢神宮も 20 年ぶりの遷宮です。できれば見に行きたいと思っています。