ユーモアの技術

2018/07/18 中嶋 秀隆

 6月末に北欧のバルト海に面するエストニアに出かけた。首都のタリン大学で行われた、国際ユーモア学会の30回目大会に参加するためである。日本笑い学会のメンバーが6人参加していた。
 その中の2人は現役のお医者さんで、笑いが健康にもたらす効果を研究し、講演しているとのことだ。その2人が夜遅く当地のホテルにチェックインし、夕食をとった時のエピソードを聞いた。レストランでされたメニュはエストニア語とロシア語で書かれたおり、何のことかわからない。前菜らしきものを指さして何かと尋ねると、「フィニッシュ」と言われた。メイン・コースらしきものを指さしても「フィニッシュ」という返事。ビールらしきものを指さしても「フィニッシュ」。そこで、2人は気づいたそうだ。「フィニッシュ」とは「おしまい」ではなく、「フィンランド料理」の意味であったと。
 ひとりの先生は、笑いについての著作を出されている方で、笑いのすすめとして、次のようにアドバイスをしているとのことだ。
 1) 面白いと思ったら笑うべし
 2) 面白いそうだったら笑うべし、
 3) そして面白くなくても笑うべし。
 国際ユーモア学会の発表で興味をひかれたのが、スイス・チームが行った「ユーモアと楽しむ6つの技術」である。具体的には、⓵ユーモアを楽しむ (enjoyment of humor)、②笑い (laughter)、③言葉によるユーモア (verbal humor)、④日常生活にユーモアを見つける (finding humor in everyday life)、⑤自分を笑い飛ばす (laughing at yourself)、⑥ストレスの下でのユーモア (humor under stress)、とのことだ。
 さらに検討を進めたいトピックである。