●「メールの書き始めのポイントについて」:
メールの書き始めは、あなたの第一印象になります。面談する場合の第一印象は、「最初の 3 分」と言われたりします。人間、中身が重要…これは確かですが、相手がお客様であった場合、 取り引きを継続してもらうために、最初の印象を“プラス”とまではいかなくても、“マイナス”の印象にしないために、メールのマナーを押さえておきましょう。メールの場合、「最初の 3 分」にあたるのが、書き始めの数行ということになります。
書き始めは、宛名になります。「会社名+相手のお名前(わかればフルネーム)+様」と表記します。部署名が、わかっている場合は、部署名も入れると丁寧です。
例:
ABC株式会社
人事部 花丸 太郎 様
ここで気をつけたいのは、相手の「敬称」です。複数の人に向けて「各位」を使って発信する場合、「殿」や「様」も併せて使うのは間違えです。「各位」を国語辞典で調べると、「皆さま方」、「おのおの方」といった意味になります。このことから、「各位」は、一人一人に対しての敬意を表している、ということを認識しておきましょう。
例:メンバー各位殿 × 保護者各位様 ×
メンバー各位 ○ 保護者各位 ○
次に、あいさつの言葉です。
多く使われているのは、「お世話になっております。」取り引きが、長く続いているお客様であれば、「いつも大変お世話になっております。」というのもいいでしょう。面識のない相手には、「突然のメールで大変失礼いたします。」「初めてメールをお送りいたします。」 「はじめまして、ABC株式会社の花丸と申します。」と書き始め、メールを送った経緯を説明します。また、以前お付き合いのあった相手に久しぶりにメールをする際は、「大変ご無沙汰しております。」 「以前、○○の案件で、お世話になりましたABC株式会社の花丸です。」といった具合に、間があいている場合は、いつ会っているのかを記載するとより親切です。
相手が社内の場合、「お疲れ様です。」というフレーズが多く使われています。 「お疲れ様」を使うことに問題はありませんが、あえて「お疲れ様」を使わないようにしている会社もあります 。有名な実業家の一人、稲盛和夫氏(京セラ創業者・KDDI 創業者・京セラ名誉会長・日本航空会長・日本航空インターナショナル会長)を塾長とする経営者勉強会、 「盛和塾」のルールの中に、人に対して、「お疲れ様」と言っては絶対にいけない。その代わりに使われている挨拶は『お元気様です!』というのもあります。
このように、「あいさつ」にもいろいろな考え方があります。毎日のメールでは、ついつい形式的になりやすいものです。 マナーを押さえることにプラスして、相手に合わせて、どんな書き始めでメールを送るのか、簡単に見えて、奥が深いですね。