9月中旬に、虫歯が痛くなり、現在治療中である。
今回はこの「虫歯治療プロジェクト」の話である。
不思議な話だが、このプロジェクトは納期が明確に定まっていない。
医師から今回はどのような作業をするのか、次回はどのような作業をするのか 明確な説明はなく、またゴールも明示されていない。すでに虫歯自体の治療は終わったらしいが、まだ医師から完了サインはでていない。私はひたすらスケジュールを調整し、せっせと病院に通っている。
あるとき、仕事先でこの話をすると、「中西さん、それは保守作業ですね」と 言われた。目からうろこであった。私が「虫歯治療プロジェクト」だと認識していたことは、 実は「歯全体の保守作業」であったのだ!
このプロジェクトを通して、私はいろいろな教訓を得ている。
<1>本来のプロジェクトオーナーである私が、相手任せにすると、このような状況になってしまうこと
<2>プロジェクトマネージャは、オーナーに明確に説明責任を果たさないと、オーナーは不安になってしまうこと
<3>オーナーがプロジェクトを実施する本質を理解できていないことも あること
今回の事例は、オーナーは「虫歯治療」だと思っていたが、プロジェクトマネージャは「歯全体の保守」を行っていた。
そうだ、今度、医師にPMBOK をプレゼントしなくては・・・
注:PMBOK における「プロジェクトの定義」からみると、今回の話は虫歯治療プロジェクトと名付けてはいけないのである。なぜならば、独自性はあるが、有期性はなく、QCD の概念もないからである。
If all you have is a hammer, everything looks like a nail.