年末に起きた事象でこれって何?と考えさせることがあった。
一つは、安倍首相の靖国参拝に関する記事、もう一つはマルハニチロの関連会社であるアクリフーズ群馬工場製の冷凍食品の農薬混入事件である。
安倍首相の靖国参拝に関しては、彼がこれに関する記事をフェースブックにアップしたところ、数万件の「いいね」のクリックがあった( 最終的には 7 万件超とも )とマスコミが報道している。この報道に接した人は、場合によっては素直に「多くの人が賛同しているのだ」と受け取るのではないか。しかし、冷静に考えると、フェースブックの「いいね」はそのコメント記事に対して賛同する「いいね」コメントしかないこと。 たとえ反対でもそのコメントの表現手段はなく、単に無視するするしかなく、その意見は反映されないこと。加えてフェースブックの視聴者(?)はその人に関心があるほんの一部でしかないこと。 などの理由で、必ずしも民意を反映しているとは言えない。しかし、マスコミがそれを報道すると、かならずしもこれが民意の反映ではないとのコメントを併せて報道しないと多くの人は誤解してしまい恐れがあるが、マスコミはそのようなコメントはしない。マスコミ報道の在り方にイエローカードである。
もう一つのアクリフーズ群馬工場の冷凍食品農薬混入問題であるが、会社の上層部は、工場内で人為的に混入された可能性を問われて、次のようにコメントしている「一般論でいえば、その可能性は否定できない」と答えている。
これは、答えになっているようで答えになっていない。特定の問題事象に関してその原因を問われて、「一般論でいえば」との前提条件を付けることは通用しない。「その可能性は否定できない」との答えも、 可能性ゼロでない限り、可能性はあるわけであり、「可能性は否定できない」との答えは質問に対する答えを回避しているにすぎない。
当初、農薬混入のリスクの影響度を極端に小さく公表しておいて、後に厚労省から指摘で修正したことも併せて考えると、この会社のコンプライアンスのあり方にはレッドカードである。