プロジェクト・マネジメントのネットワーク手法では作業間の依存関係(論理的順序関係)に4つのタイプがある。終了-開始、開始―開始、終了―終了、開始―終了の4つだ。
『万葉集』の歌の中におもしろい例があることに気づいた。
東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)のたつ見えて
かえり見すれば月傾(かたぶ)きぬ (柿本人麻呂、巻1、48)
現代語に訳すと、「東の野に太陽が昇るのが見え、振り返ると西空には落日が傾いている」。これは上の4つのタイプのうち、開始―終了にあたる。
では、次の『古今集』の歌は、どのタイプにあたるのだろう?
秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬ (藤原敏行、秋上・169)
巻1、48)
我が国の古典の中にはほかにも、プロジェクト・マネジメントのヒントがあるかもしれない。これからも探してみようと思う。