某薬品メーカーでの研修の際、参加者との懇親会で、『ビジョナリーカンパニーA 飛躍の法則』という本のことを教えていただいた。早速、読んでみたが、実に面白い。
論旨の一部を私なりに要約すると、「良好」から「偉大」へと飛躍を遂げた会社は、好きなこと(情熱をもって取り組めるもの)、得意なこと(自社が世界一になれる部分、もうかること(経済的原動力になるもの)、の3つの輪の重なる領域に軸足を置き、その軸がぶれないということだ。
昨今、PM の世界で注目されているポートフォリオ・マネジメントについても、経済的な基準や資源配分の基準の上に、「そもそも3つの輪の重なる領域で」という前提があることが望ましいと感じた。
某工業界の定例の集まりで講演をさせていただく機会があり、あとの懇親会でこの話を披露すると、皆さん、興味を持って聞いてくださった。大阪の大手化学メーカーの取締役の方からは、後日、書名問い合わせの電子メールをいただいた。
いずれも懇親会の効用といえる。ただし、懇親会ばかりをやっているわけではありません。念のため。
エッセイ
「ポートフォリオと3つの輪」
2006/12/02 中嶋 秀隆